BMOで使ったデッキの話
2015年10月13日 TCG全般BMOで使ったデッキについて書きたいと思います。
自分なりに納得のいくデッキが組めたうえ、結果もついてきたので文字に残そうと思った次第です。
■デッキリスト
デッキ名はアブザンアグロですが、俗にいうジェスカイブラックです。もしくはダークジェスカイ。
■アブザンアグロの定義
まず、僕がこのデッキをアブザンアグロと呼ぶ理由として、僕が使い慣れたアブザンアグロと共通する以下の要素を挙げることができます。
■生物の選択
マナカーブの通りに2ターン目は2マナのカード、3ターン目は3マナのカードをプレイする動きが基本になるため、搭載歩行機械のような出した後のターンにもマナを食ううえに先攻ドブン勝ちにも寄与しないカードは採用するべきではありません。
また、除去+生物という2アクションを取ることを考えると、除去は重いほうが優秀で的を選ばないため、逆に生物については2マナ域を厚くとるべきです。
1枚挿しのタシグルは12枚のフェッチランドとジェイスによって容易に2~3マナでプレイ可能であり、アブザンアグロにとって最も重要な生物のうちのひとつであると考えています。
■単純で動かしやすい
上述の通り、基本的な動きが手札に書いてあるマナコストの通りにカードを出していくだけなので、各ターンに取れる挙動は多くて3パターン程度になります。また、対戦相手の速度と先手後手の差で最適な挙動は決定されるため、3~4ターン目までの行動はマリガンチェックの時点で既に決まっているようなものです。
つまり、これはプレイミス(=挙動の選択ミス)をしにくい構造であると言い換えることができます。
ただでさえスタンダードの4色デッキは土地を置く順番で色々と考えなければならないため、それ以外の部分で考えることは極力減らしたほうがいい。
■裏を返せば……
しかし、いざゲームが始まれば単純でも、裏を返せばキープする時点でそこまで考えておかないといけないということ。バンクーバーマリガンで以前よりマリガンのリスクが減少しているため、相手に適した手札を求めていくことも必要になるでしょう。
自分がマリガン嫌いであるということもあり、キープ基準をより明確にすることは、これからこのデッキを使っていくうえで改善すべきポイントだと思います。
■《はじける破滅》の強さ
基本となるジェスカイカラーのドラゴンデッキも見られるなか、4色目となる黒をタッチしている最大の意味は言うまでもなく、はじける破滅の採用です。
相手の脅威である包囲サイや龍王オジュタイなどのフィニッシャーをダメージを与えながら処理できるダメージレースへの貢献度の高さだけでなく、通常の1対1交換の除去カードでは対処が容易ではないソリンやギデオンなどのトークンを生むプレインズウォーカーに有効であることもこのカードの強さです。
はじける破滅はスタンダードで最強の除去のひとつであり、これと次に触れる龍詞の咆哮4枚ずつ計8枚からデッキ構築を始めたと言っても過言ではありません。
■もうひとつの最強除去、《龍詞の咆哮》
稲妻の一撃がスタンダードを去り、唯一のインスタント2マナ3点火力となった龍詞の咆哮。
それ以外の構築級の2マナ除去では究極の価格、ドロモカの命令の名前が挙がりますが、究極の価格は包囲サイやカマキリの乗り手といった多色かつ主力級の生物を除去することができないため今一つ信頼しきれず、ドロモカの命令はクルフィックスの狩猟者をはじめとするエンチャントやかきたてる炎などの優良火力が退場したことで容易にアドバンテージが取れるという最大の強みを失いました。
一方、安定してボーナスを受け取ることができさえすれば、龍詞の咆哮は2マナ6点という驚異的な効率の良さを誇ります。あまつさえジェイスなどで連打する局面では、スタンダードに幅を利かせている搭載歩行機械に当てれば的を減らすことなくライフをみるみる減らしていくことができるのです。
■除去はソーサリーで撃つ
このデッキの主要な攻撃手段はカマキリやドラゴンによる上からのものであるため、相手は生物の並べあいではクロックを止めることができず、必然的に対処を迫られることになります。したがって、除去は「構え損」になるリスクが比較的高く、インスタントタイミングで生物を展開できるデッキでもないため、基本的には自分のターンでマナを使い切ってしまうのが最も無駄がない動きになると考えています。
自分のターンでの行動を大雑把にふたつに分けると「動く」と「構える」になるわけですが、このデッキはひたすら「動き」続けるデッキであると言えます。
そして、プレイの思考をより簡略化することは、よりミスを少なくするということにつながっていくというわけです。
■ジェイスはバーンでも輝く
このデッキの核であるジェイス。アグロデッキにしては多めの26枚の土地や4~5マナ域に集中する大振りなドラゴン主体の構成は、すべてジェイスの存在によって肯定されているといっても過言ではありません。
ジェイス1枚でゲームに勝てるという文言をどこかで見たときにはそんなわけあるかと思いましたが、実際にジェイス1枚が生き延びたために勝ったゲームは枚挙に遑がありません。
アブザンのような速攻生物を持たないアグロデッキは、一度主導権を握ってしまえば裏向きになったジェイスと墓地のはじける破滅を見せるだけで動きが固まり、ジェスカイの魔除けは手札と墓地から唱えることで相手のライフを8点も持っていきます。龍詞の咆哮を二度撃ちすれば、手札1枚の消費で包囲サイなどの大型生物を落とすこともできます(しかも本体に6点のダメージを与えながら!)。ジェイスを使っていて最も強さを感じるのは、このようなライフを詰める場面で相手の想定外のダメージを引き出せるところでした。
また、手札のカードで相手を仕留める場面では否認や払拭を対象に唱えることも有用で、終盤での信頼感は絶大です。
■メタゲーム上の位置
の話はできません。何故なら、先手のドブンで勝てるというのがこのデッキを使おうとした大きな理由だからです。4色ミッドレンジを組んでエルドラージランプ(ウラモグ)にマナベースをボコボコにされ殺意に目覚めたという経緯こそあれ、そこにはメタゲームなど存在しない。が、アブザンアグロ(本物)や緑白系のデッキには体感的に非常に有利だと思っています。
カマキリの乗り手やはじける破滅によってギデオンの処理が容易であることや、緑白系のデッキが飛行クロックを止められない点でジェスカイブラック側が優位に立っていると考えられます。
先週のSCGでは緑白大変異とジェスカイブラックがTOP8を二分していたようですが、緑白大変異がジェスカイブラックと対等に戦えている理由が今一つ理解できていません。教えてエロい人><
■これからのアブザンアグロ
今回の結果を受けて、改善点としてはマナベースの再考、キープ基準の明確化、細かいカードの抜き差しが挙げられます。
ジェスカイの魔除けはほぼ常にサイドアウトされ、一方で龍王シルムガルは一度もサイドインされずに大会を終えました。今週末にはPTもあり、メタゲームが決定されてからもう一度細かい部分を磨き上げていく必要があるでしょう。
また、ドラゴンを多く採用しているためスペルが比較的少なく、焦熱の衝動はほとんどの場面で「本体に撃てないショック」でしかありませんでした。
残忍な切断はこれから採用したいカードのひとつです。今回は宝船の巡航の存在や、積極的に攻めるデッキのコンセプトからタシグルが優先されたために採用を見送りましたが、この1マナ確定除去の可能性についても模索していくべきでしょう。
■サイドボードについて
環境初期でありメタゲームも固まっていないため、サイドボードは悪い言い方をすれば雑です。思うところがあるとすれば、以下の点でしょうか。
3日に分けて書いたので抜けている部分もあるかも。
自分なりに納得のいくデッキが組めたうえ、結果もついてきたので文字に残そうと思った次第です。
■デッキリスト
"Abzan Aggro"
土地26
4溢れかえる岸辺
4汚染された三角州
4血染めのぬかるみ
2神秘の僧院
1精霊龍の安息地
2戦場の鍛冶場
1シヴの浅瀬
1大草原の川
1窪み渓谷
1燻る湿地
2山
1平地
1島
1沼
生物20
4ヴリンの神童、ジェイス
3魂火の大導師
4カマキリの乗り手
4雷破の執政
2嵐の憤怒、コラガン
2龍王オジュタイ
1黄金牙、タシグル
呪文14
2焦熱の衝動
4龍詩の咆哮
4はじける破滅
1ジェスカイの魔除け
1コラガンの命令
1オジュタイの命令
1宝船の巡航
サイドボード15
1払拭
2否認
3軽蔑的な一撃
3勇敢な姿勢
3光輝の炎
1前哨地の包囲
1黄金牙、タシグル
1龍王シルムガル
デッキ名はアブザンアグロですが、俗にいうジェスカイブラックです。もしくはダークジェスカイ。
■アブザンアグロの定義
まず、僕がこのデッキをアブザンアグロと呼ぶ理由として、僕が使い慣れたアブザンアグロと共通する以下の要素を挙げることができます。
1. 2~5マナ域に対戦相手の脅威となりうる生物が3~4枚ずつ存在すること。
2. 4~5ターン目に除去+生物の2アクションを取り得ること。
3.先攻のドブンで簡単に勝てること。
■生物の選択
マナカーブの通りに2ターン目は2マナのカード、3ターン目は3マナのカードをプレイする動きが基本になるため、搭載歩行機械のような出した後のターンにもマナを食ううえに先攻ドブン勝ちにも寄与しないカードは採用するべきではありません。
また、除去+生物という2アクションを取ることを考えると、除去は重いほうが優秀で的を選ばないため、逆に生物については2マナ域を厚くとるべきです。
1枚挿しのタシグルは12枚のフェッチランドとジェイスによって容易に2~3マナでプレイ可能であり、アブザンアグロにとって最も重要な生物のうちのひとつであると考えています。
■単純で動かしやすい
上述の通り、基本的な動きが手札に書いてあるマナコストの通りにカードを出していくだけなので、各ターンに取れる挙動は多くて3パターン程度になります。また、対戦相手の速度と先手後手の差で最適な挙動は決定されるため、3~4ターン目までの行動はマリガンチェックの時点で既に決まっているようなものです。
つまり、これはプレイミス(=挙動の選択ミス)をしにくい構造であると言い換えることができます。
ただでさえスタンダードの4色デッキは土地を置く順番で色々と考えなければならないため、それ以外の部分で考えることは極力減らしたほうがいい。
■裏を返せば……
しかし、いざゲームが始まれば単純でも、裏を返せばキープする時点でそこまで考えておかないといけないということ。バンクーバーマリガンで以前よりマリガンのリスクが減少しているため、相手に適した手札を求めていくことも必要になるでしょう。
自分がマリガン嫌いであるということもあり、キープ基準をより明確にすることは、これからこのデッキを使っていくうえで改善すべきポイントだと思います。
■《はじける破滅》の強さ
基本となるジェスカイカラーのドラゴンデッキも見られるなか、4色目となる黒をタッチしている最大の意味は言うまでもなく、はじける破滅の採用です。
相手の脅威である包囲サイや龍王オジュタイなどのフィニッシャーをダメージを与えながら処理できるダメージレースへの貢献度の高さだけでなく、通常の1対1交換の除去カードでは対処が容易ではないソリンやギデオンなどのトークンを生むプレインズウォーカーに有効であることもこのカードの強さです。
はじける破滅はスタンダードで最強の除去のひとつであり、これと次に触れる龍詞の咆哮4枚ずつ計8枚からデッキ構築を始めたと言っても過言ではありません。
■もうひとつの最強除去、《龍詞の咆哮》
稲妻の一撃がスタンダードを去り、唯一のインスタント2マナ3点火力となった龍詞の咆哮。
それ以外の構築級の2マナ除去では究極の価格、ドロモカの命令の名前が挙がりますが、究極の価格は包囲サイやカマキリの乗り手といった多色かつ主力級の生物を除去することができないため今一つ信頼しきれず、ドロモカの命令はクルフィックスの狩猟者をはじめとするエンチャントやかきたてる炎などの優良火力が退場したことで容易にアドバンテージが取れるという最大の強みを失いました。
一方、安定してボーナスを受け取ることができさえすれば、龍詞の咆哮は2マナ6点という驚異的な効率の良さを誇ります。あまつさえジェイスなどで連打する局面では、スタンダードに幅を利かせている搭載歩行機械に当てれば的を減らすことなくライフをみるみる減らしていくことができるのです。
■除去はソーサリーで撃つ
このデッキの主要な攻撃手段はカマキリやドラゴンによる上からのものであるため、相手は生物の並べあいではクロックを止めることができず、必然的に対処を迫られることになります。したがって、除去は「構え損」になるリスクが比較的高く、インスタントタイミングで生物を展開できるデッキでもないため、基本的には自分のターンでマナを使い切ってしまうのが最も無駄がない動きになると考えています。
自分のターンでの行動を大雑把にふたつに分けると「動く」と「構える」になるわけですが、このデッキはひたすら「動き」続けるデッキであると言えます。
そして、プレイの思考をより簡略化することは、よりミスを少なくするということにつながっていくというわけです。
■ジェイスはバーンでも輝く
このデッキの核であるジェイス。アグロデッキにしては多めの26枚の土地や4~5マナ域に集中する大振りなドラゴン主体の構成は、すべてジェイスの存在によって肯定されているといっても過言ではありません。
ジェイス1枚でゲームに勝てるという文言をどこかで見たときにはそんなわけあるかと思いましたが、実際にジェイス1枚が生き延びたために勝ったゲームは枚挙に遑がありません。
アブザンのような速攻生物を持たないアグロデッキは、一度主導権を握ってしまえば裏向きになったジェイスと墓地のはじける破滅を見せるだけで動きが固まり、ジェスカイの魔除けは手札と墓地から唱えることで相手のライフを8点も持っていきます。龍詞の咆哮を二度撃ちすれば、手札1枚の消費で包囲サイなどの大型生物を落とすこともできます(しかも本体に6点のダメージを与えながら!)。ジェイスを使っていて最も強さを感じるのは、このようなライフを詰める場面で相手の想定外のダメージを引き出せるところでした。
また、手札のカードで相手を仕留める場面では否認や払拭を対象に唱えることも有用で、終盤での信頼感は絶大です。
■メタゲーム上の位置
の話はできません。何故なら、先手のドブンで勝てるというのがこのデッキを使おうとした大きな理由だからです。4色ミッドレンジを組んでエルドラージランプ(ウラモグ)にマナベースをボコボコにされ殺意に目覚めたという経緯こそあれ、そこにはメタゲームなど存在しない。が、アブザンアグロ(本物)や緑白系のデッキには体感的に非常に有利だと思っています。
カマキリの乗り手やはじける破滅によってギデオンの処理が容易であることや、緑白系のデッキが飛行クロックを止められない点でジェスカイブラック側が優位に立っていると考えられます。
先週のSCGでは緑白大変異とジェスカイブラックがTOP8を二分していたようですが、緑白大変異がジェスカイブラックと対等に戦えている理由が今一つ理解できていません。教えてエロい人><
■これからのアブザンアグロ
今回の結果を受けて、改善点としてはマナベースの再考、キープ基準の明確化、細かいカードの抜き差しが挙げられます。
ジェスカイの魔除けはほぼ常にサイドアウトされ、一方で龍王シルムガルは一度もサイドインされずに大会を終えました。今週末にはPTもあり、メタゲームが決定されてからもう一度細かい部分を磨き上げていく必要があるでしょう。
また、ドラゴンを多く採用しているためスペルが比較的少なく、焦熱の衝動はほとんどの場面で「本体に撃てないショック」でしかありませんでした。
残忍な切断はこれから採用したいカードのひとつです。今回は宝船の巡航の存在や、積極的に攻めるデッキのコンセプトからタシグルが優先されたために採用を見送りましたが、この1マナ確定除去の可能性についても模索していくべきでしょう。
■サイドボードについて
環境初期でありメタゲームも固まっていないため、サイドボードは悪い言い方をすれば雑です。思うところがあるとすれば、以下の点でしょうか。
1. 各種打ち消しと軽量火力は相互互換的である。
2. 非コントロールのアブザンに軽蔑的な一撃はサイドインする必要はない。
3. ジェイスで引き増しできるため、対赤単での光輝の炎など絶対に引きたいサイドカードでも、3枚で十分間に合う。
4. 手数勝負になる相手にはタシグルが強い。
3日に分けて書いたので抜けている部分もあるかも。
コメント